前回の続き。
このシリコンは約12時間で固まるということですが、冬の寒い時期に加えて1年以上前に買ったもののためか、約20時間ほどで固まりました。内側の一部と外側にガムテープを貼っても、ブロックの内部にこれだけ染み出しています。型取り用のブロックは突起が大きくて数も少なく、染み出したシリコンが容易に取れるような形になっています。
右側のボラードの型は片面抜きなので原型を出すだけで良いのですが、左側のキセル型吸気口の型は中を割らないと原型が取り出せません。そこであたりを付けてカッターナイフで切り込みを入れ、残りは手で二つに割って取り出します。これは本来のやり方ではない上に型も長持ちしないのですが、シリコンの余りのついでという事で。二つに割ったあと、空気抜きの穴を上向きになるように彫刻刀で彫ります。ボラードの型はちょっと高さ(量)が高すぎました。この半分程度でも良いようです。
型の準備ができたら、注型用のレジン樹脂を用意します。これも用途や作業環境によって色々な種類がありますが、キシレンという有害物質を含まないタイプのものが臭いが比較的少なくて身体に負担がかからないため、私はそれを使っています。
このレジン樹脂は透明なA液と茶色のB液を1:1の割合で混ぜて硬化させるもので、シリコンほど厳密な配合比でなくても固まります。元はそれぞれ缶に入っていますが、量がごく少量なので、空いた塗料瓶に小分けしてそれを使い捨てのスポイトで吸い出して紙コップで混ぜ、型に注ぎ込みます。
右側のボラードの片面抜きは、レジンを注ぎ込んだ後に細い金属線で隅をほじって空気の泡を追い出します。これを行わないと泡の部分が欠けてしまいます。また左側の吸気口は下側になるキセルの頭の部分の型の両方にレジンを少量だけ付けて金属線でほじった上で型を合わせ、改めて金属線を差し込んで泡を追い出しながら上からレジンを注ぎ込むと欠けの少ない複製ができるようです。
臭いが少ないタイプと書きましたが、それは比較の問題で、レジン樹脂には石油系のかなり尾を引く強い臭いがあります。屋外か室内では換気扇が必須です。
こうしてめでたく量産完了。それぞれ左端が原型、右側のクリーム色のものが複製品です。
今回、型取りに使った材料の詳細は下記を参照して下さい。それぞれ、用途や型取りする対象によって様々な種類があります。
GSIクレオス かたどりブロック (102個入)Be-J シリコン SG-070平泉洋行 ハイキャストミニ1kg キシレンフリー アイボリー