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ハセガワ1/350氷川丸→照国丸を作る(その54)

2023–03–19 (Sun)
 前回の続き。

(本日の画像はクリックすると別窓で拡大表示します)

 左舷側の側板を貼って現在は正面の壁面に掛かっています。これも3Dプリンタによる作成ですが、画像のものは下両端の開口部のサイズが若干狭くなり、データ修正は容易ですがそれだけのために再出力は面倒なので、一部切り取って幅を広げる形で修正しています。

 拡大表示すると左舷側の側壁に微細な皺が一定周期で入っているのがわかると思います。これは3Dプリンタを8K機に替えてから平面の一部に発生するようになった現象で、表面を削って裸眼ではほとんどわからなくなっていますが拡大かつ光の当たり方によってはまだ少し見えます。原因がわからず見た目もあまり目立たないので側壁はこれで通したのですが、正面の壁面を作成する際に出力設定を再度見直してようやく現象が出なくなりました。これを取り付ける際に角を整形するので、側壁の表面もその時に再度ならすつもりです。

 以下次回。

ハセガワ1/350氷川丸→照国丸を作る(その53)

2023–03–07 (Tue)
 前回の続き。

(本日の画像はクリックすると別窓で拡大表示します)

 舷側の側板を貼る前に上下の甲板をつなぐ階段を付けます。階段は手すりも含めて以前に作成した3Dプリンタ製、側面の手すりはSHIP MODEL WORKSの1/350汎用手すりエッチング(T35001)を詰めて作っています。


 船尾側の階段も同様に付けます。ボートデッキ側の手すりもSHIP MODEL WORKSのエッチングを組み合わせて作っています。


 右舷側の側板を付けてボートデッキとの接合部を整形したところまで。側板は開口部や手すりも含めて3Dプリンタで非常に精巧に出力できたのですが、その分手すりと支柱の塗装の塗り分けも細かく入り組んで手間がかかっています。あとブリッジ周辺等の調整を行って左舷側の側板も同様に取り付けます。

 以下次回。
 なお、今週末03/12の記事更新はありません。次回更新は03/19以降の見込みです。

ハセガワ1/350氷川丸→照国丸を作る(その52)

2023–02–27 (Mon)
前回の続き。

(本日の画像はクリックすると別窓で拡大表示します)

 操舵室の床面は照國丸単体の資料は無かったのですが、同時代の浅間丸級や後年の新田丸が グレーチングなので一面グレーチングとして処理します。具体的にはファイブスターの1/350艦艇用グレーチングのエッチング(FS351047)を貼って表現しています。

 テレグラフは5基付きますが役割は異なります。靖国丸の艤装図では操舵室内の2基がエンジンテレグラフ(ET)、外側の2基は緊急のステアリング用と入出港の際に使われるドッキング用の併用(S&D)、右舷(画像手前)側の端にあるのが錨作業時に用いるアンカーテレグラフ(AT)で、指示する先も異なります。資料や浅間丸の写真を見る限り若干仕様が異なっていたようですが、詳細不明のため全て同じ形としています。

 操舵室の中央に磁気コンパスがありますが、この時代の船は既にジャイロコンパスも標準装備で、そのレピーター(表示器)は操舵機に直接装備されるか、そうでない場合は操舵室内のどこかに有りました。照國丸がどうだったかは不明ですが、同時代の浅間丸級が操舵機とは別の左舷側の壁面近くにあったので、この製作でもそれにならって処理しています(上画像出入口と窓の間の半円状のモールド)。


 右舷側の壁で仕切られた部分は海図台で、靖国丸はこの位置にあり照國丸も同様と判断しています。操舵機背面の壁中央にある格子状のモールドはフラグロッカーで、これは3Dプリンタでそれらしいものを出しています。


 製作は操舵室の天蓋を貼って船室の裾を引き、ドアを付けて形にしたところまで。同時に船室背面の大型の天窓と左舷側の角にある空中線用の塔を並べて囲った部屋も付けています。また外側のブルワークの上端は木地のままなのでウッド系の色を塗っています。


 反対側はこんな感じです。以降側面や前面の壁面を取り付けます。



 上で操舵室の外側のブルワークの上端は木地のままと書きましたが、この時代の商船は操舵室周辺の構造物壁面が内外共に木張りで被覆されているのが一般的だったそうです。その上から白塗装するため他と区別が付かなくなるだけで無塗装の場合もあり、実船写真や着色葉書・ビルダーズモデルなどで操舵室周辺や張り出しが濃い色に見える船があるのはこれが理由です。そのため厳密にはこの周辺は木張りモールドを付けてグレーを流すのが実物に近い形ですが、全体を見た場合に違和感も半端ないためモールドそのものを省略しています。なお、これは現在の氷川丸でも見る事ができます。

保存船氷川丸の船橋上部背面
(2002年08月31日撮影)
赤矢印より上の操舵室と同一レベルにある
張り出しやブルワーク、船室は表面が木張りになっています。


 以下次回。

ハセガワ1/350氷川丸→照国丸を作る(その51)

2023–02–19 (Sun)
前回の続き。
色々あって製作はあまり進んでいません。

(本日の画像はクリックすると別窓で拡大表示します)

 戦前の商船の甲板に於いて鉄甲板の部分にはデッキペイントという塗料が塗られていました。この色もはっきりわからない事柄の一つで、1943年に出版された立川春重著/船渠と船舶修理p356-357(国会図書館オンライン/要ログイン)では弁柄を主成分とするものとギルソナイトという天然アスファルトを用いるものの2種類があると書かれています。前者なら赤褐色系ですし、後者なら黒褐色系の色で、アンダーソニアン図書館のビルダーズモデルは後者となっています。ところが郵船博物館の氷川丸や鎌倉丸の籾山製のモデルは前者ですし、見聞きした範囲では大阪商船のモデルはミディアムグレー系の処理が多いようです。

 本製作ではアンダーソニアン図書館のビルダーズモデルに倣って一旦黒褐色系としたのですが、根拠がどうもはっきりしない上に氷川丸のモデルや見映えも考慮して裾色と同じ赤褐色系の色に塗り替える事にしました。上の画像では中央部のみですが、後で前後他の甲板の塗装も同じ色で塗り替えます。その際に塗り分けの範囲も靖国丸の艤装図に合わせる形で一部変更します。


 他は操舵室周辺の小物をまとめて仕上げています。上画像右端の基準コンパスはハセガワ氷川丸の部品(G13)です。塗装指示は全体にマホガニーですが、実際は上半分のカバーと裏の長細い凸モールドの部分が真鍮製なのでゴールド系、上と前方の凸は窓になるので黒で、両側の鉄球と架台は船によって色が違うようですがこの製作ではグレー系でそれぞれ塗り分けます。

 左手前はエンジンテレグラフで、これは3Dプリンタで製作しています。高さ4mm程ですが、表現的にはキットのコンパスの部品とほぼ遜色ありません。むしろ塗り分けが大変になるレベルです。


 これは操舵室の天蓋の上に付く基準コンパス周辺のブルワークで長さ約10mm高さ3.8mm、手すりや筋彫りもまとめて3Dプリンタで出力しています。中にあるT状のものは変形を防ぐための仮のサポートで、甲板接着後に外します。

 以下次回。

ハセガワ1/350氷川丸→照国丸を作る(その50)

2023–02–12 (Sun)
前回の続き。

(本日の画像はクリックすると別窓で拡大表示します)

 一等ベランダの天井はよく見えませんし、一般的にビルダーズモデルもそこまで再現している訳ではないので省略しても良かったのですが、自分が見る側だったら間違いなく覗いて見る(嫌な客だ)ので、それなりに作る事にします。

 具体的には3Dプリンタで天井のパターンを出力してプラ板の天井部分に貼り付ける形で表現し、そのままではモールドが判別できないのでタミヤエナメルのダークグレーを流してやや強めに陰影を付けます。3個並んでいる四角のモールドは照明灯と考えますが詳細不明のため、ハセガワのジュラルミンフィニッシュ(TF-2、ミラーでは光り過ぎて違和感があるため)を貼ってそれらしく表現しています。


 甲板を貼って各部を整形してこんな感じです。覗いても良く見えないのは予想通りでしたがモールドも平坦な印象なので、次に同様の機会があったら高低差を倍程度に誇張して丁度良くなるかもしれません。

 これでボートデッキハウストップまでの製作が一通り済んだので、次は操舵室を付けて舷側と正面の側壁を付けます。
 以下次回。

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MOMOKO.120%

Author:MOMOKO.120%
職業:自営業見習い
趣味:ブログの通り
模型の守備範囲:船
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現在は1/100初代海王丸の製作を一時休止して、ハセガワ1/350空母隼鷹を製作しています。

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